頬に沿って流れる前髪バタフラバング|銀座 美容室のカット理論

query_builder 2026/09/16
頬に沿って流れる前髪バタフラバング|銀座 美容室のカット理論

「前髪を軽くしてもらったはずなのに、なんだか思ったより横に広がってしまう」――そんなご相談、実はとても多いんです。特に、頬に沿って毛先が柔らかく外に流れる、今どきの前髪をご希望の方ほど、この違和感を抱えていらっしゃいます。


今回は、そうした前髪の代表格である「バタフラバング」の設計について、Endearing銀座の視点から技術的に掘り下げてお伝えします。





バタフラバングとは、どんな前髪なのか


バタフラバングとは、前髪をセンターで自然に割り、その毛先が蝶の羽根のように頬骨のあたりで柔らかく外側へ流れていくデザインのことです。


ぱつっと切りそろえた前髪とは違い、前髪と顔まわりの毛束の境目をあえて曖昧にすることで、輪郭に沿った動きのある印象をつくります。単に前髪を軽くするだけでは生まれない、フェイスラインとの一体感がこのスタイルの核心です。





前髪が思うように流れない、本当の理由


ここで美容師として、そして毛髪の性質という観点からお伝えしたいのは、前髪が広がる・重く見える原因の多くは「毛量」そのものではなく「毛先の質量の分布」にあるということです。ストレートに切った前髪は、根元から毛先までの太さがほぼ均一なため、毛束全体が一つの塊として重力に引っ張られ、フラットに落ちてしまいます。これに対してバタフラバングでは、毛先にかけて段階的に質量を減らすグラデーションカットを入れることで、毛束が自重で割れやすくなり、頬に沿ってカーブしながら流れる動きが生まれるんです。



加えて見落とされがちなのが、生えぐせの向きです。おでこの生え際は人によって毛流れの起点が微妙に異なるため、同じ角度でカットしても仕上がりの割れ方は一人ひとり変わります。


Endearing銀座では前髪のカウンセリング時に、乾いた状態と濡らした状態の両方で毛流れの起点を確認し、実際に割れやすいラインをミリ単位で見極めてから毛量調整に入るようにしています。この工程を省いてしまうと、せっかく軽くしても思った方向に流れてくれない、という結果になりやすいのです。





顔まわり4ゾーンのカット設計


ゾーンカット設計得られる効果
前髪センター(生え際〜眉上)シースルー気味の毛量に調整し、センターで自然に割れる薄さを確保顔全体に抜け感が出て、前髪の重さが軽減される
前髪サイド(眉尻〜こめかみ)段差をつけながら頬まわりの毛束へと長さをつなげる前髪と顔まわりの毛の境目がなくなり、一体感が生まれる
頬骨ライン毛先に丸みを持たせたレイヤーを入れ、外に返りやすい角度でカット頬骨のハイライトが程よく隠れ、輪郭が柔らかく見える
顎ライン毛量を軽くし、内側にボリュームの逃げ場をつくる顔まわりに余白ができ、小顔効果につながる



この4つのゾーンは独立して仕上げるのではなく、すべての段差をなだらかにつなげることが重要です。段差がはっきり残っていると「前髪」と「顔まわりの髪」が別々のパーツに見えてしまい、バタフラバング特有の一体感のある流れが失われてしまいます。


カット時にはセニングシザーとスライドカットを併用し、毛束のエッジを削ぐようにして質量を分散させています。



今回お客様からいただいたお写真を拝見すると、根元から毛先にかけてのツヤ感がとても綺麗に出ていて、前髪もセンターで自然に割れ、頬のラインに沿ってふわっと外に流れているのが分かります。

毛先には緩やかな丸みが残っていて、光の当たり方によって表情が変わるような柔らかい質感です。


ダークブラウンのカラーがベースにあることで、レイヤーによる毛束の重なりが陰影としてしっかり見え、動きのあるカットラインがより立体的に映えていますね。横顔のカットでは、顔まわりの毛が首元まで自然に流れ落ちていて、毛量バランスの軽さがよく伝わってきます。




実際のご相談から


先日、ジュエリーデザイナーとして活動されている33歳のお客様から「前髪を軽くしたいけれど、分け目がぱっくり割れるのは避けたい」というご相談をいただきました。


もともとの前髪はストレートに近い形で、毛先まで太さが均一な状態。カウンセリングで生えぐせを確認したところ、向かって左側に強い流れがあることが分かり、その流れを活かす形でセンターからやや左寄りにバタフラバングのラインを設計しました。


「え、こんなに自然に割れるんですか」と鏡を見て驚かれていたのが印象的でした。乾かすだけで頬に沿って毛先が外に流れるので、朝のスタイリング時間がぐっと短くなったと喜んでいただけました。




バタフラバングのメリット



  • 前髪と顔まわりの髪がつながって見えるため、輪郭がシャープに見えすぎず柔らかい印象になる
  • 毛先の質量を分散させているので、コテやアイロンを使わなくても自然に外へ流れやすい
  • 頬骨・エラなど気になる部分を程よくカバーしながら、重たく見えない
  • センターパートでもオン眉でも応用できるため、伸ばしていく過程でも扱いやすい
  • 毎日のブロー時間が短縮でき、忙しい朝でも再現しやすい



まとめ


以前ご紹介したレイヤーボブの記事でも触れましたが、顔まわりの毛流れ設計は骨格やご自身の生えぐせとのバランスを見ながら組み立てることが何より大切です。


バタフラバングも同じで、単に「前髪を軽くする」というオーダーだけでは再現が難しく、毛量・段差・生えぐせという3つの要素を丁寧に見極める必要があります。ご自身の前髪が思うように流れないとお悩みの方は、ぜひカウンセリングで生えぐせや毛流れの向きから一緒に確認させてください。



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