この秋、透明感を仕込むなら「グレージュ」
夏の日差しで明るくなった髪、なんだかオレンジっぽく見えていませんか?
秋のニットやジャケットに着替えると、その赤みが意外と目立つんです。
そこで今の時季、Endearing銀座のスタイリストがいちばん推しているのがグレージュ。今回はその魅力を、色の仕組みからじっくりお話しします。
グレージュってそもそもどんな色?
グレージュは「グレー」と「ベージュ」を掛け合わせた色です。
ベージュのやわらかさに、グレーのくすみを重ねることで、黄みも赤みも出にくいニュートラルな色になります。
ポイントは「彩度が低い」こと。色の主張が控えめなぶん、髪そのもののツヤや光の透け感が前に出てきます。これが「透明感がある」と感じる正体なんです。
スタイリストとして正直に言うと、グレージュは「重く見えないのに落ち着く」数少ない色です。ブラウンほど日常的すぎず、アッシュほど冷たすぎない。このちょうどいいバランスが、年代を問わず選ばれる理由だと感じています。
なぜ日本人の髪は赤み・黄みが出やすいのか
日本人の髪には、黒褐色の「ユーメラニン」と、赤〜黄色の「フェオメラニン」という2種類のメラニン色素があります。
カラー剤で明るくすると、先に分解されるのはユーメラニン。分解されにくいフェオメラニンが残るため、明るくするほど赤み→オレンジ→黄みと、暖色の「アンダートーン」が表に出てきます。
グレージュは、このアンダートーンを補色で打ち消すことで成り立つ色です。色相環で反対側にある色を重ねると、色味は中和されてグレーに近づきます。
| 明るさ(レベル) | 残りやすいアンダートーン | Endearing銀座の補色設計 | 仕上がりの印象 |
|---|---|---|---|
| 6〜7レベル | 赤み・赤褐色 | グリーン系を主体に、ブルーを少量 | 暗めでも透けるスモーキーグレージュ |
| 8〜9レベル | オレンジ | ブルー系を主体に、アッシュを重ねる | やわらかく軽やかな王道グレージュ |
| 10〜11レベル | 黄み・黄橙 | バイオレット系で黄みを抑える | ミルクティー寄りの明るいグレージュ |
| ブリーチ後(13レベル以上) | 淡い黄み | バイオレット+薄めのシルバー | ホワイトグレージュ・ハイトーン |
つまり同じ「グレージュ」でも、髪の明るさと履歴によってレシピはまったく違います。
「前のサロンで頼んだのに、茶色っぽくなった」という経験がある方。それは中和する色素が、残っていた赤みに負けてしまった可能性が高いです。
グレージュの色落ちが早いと言われる理由
「グレージュってすぐ色が抜けますよね?」このご質問、本当によくいただきます。
実はグレー系やアッシュ系の色素は分子が小さく、髪の内部から流れ出やすい性質があります。
さらにダメージでキューティクルが開いていると、シャンプーのたびに色素が抜けていきます。色が抜けると、下に隠れていたオレンジが再び顔を出す、というわけです。
そこでEndearing銀座では、次の2点を大切にしています。
- ダメージを抑えたグレードの高い薬剤を使い、キューティクルへの負担を最小限にする
- 髪質改善カラーとしてST-Cとクリームプレックスを併用し、髪内部の結合を守りながら染める
髪の内側が整っていると、色素がとどまりやすく、褪色してもオレンジに転びにくくなります。「色持ち」はカラー剤だけでなく、髪の土台づくりで決まるんです。
写真で見るグレージュの透け感
こちらはミディアムレングスのお客様の仕上がりです。
全体は8,9レベル程度の、ほんのり暗めのスモーキーグレージュ。サロンの照明の下でも赤みがなく、根元から毛先まで均一な色味に仕上がっています。
注目していただきたいのは、頭頂部から中間にかけてのツヤの帯です。彩度を抑えたグレージュだからこそ、光がまっすぐ反射して、髪の表面にやわらかな透け感が生まれています。
毛先はゆるく外と内に揺れる巻き。巻いた部分は影ができて深いグレーに、ストレートの部分は光を拾ってベージュ寄りに見えます。一色なのに立体感があるのは、この見え方の差のおかげです。
ちなみに自然光の下では、もう一段明るく、グレーのニュアンスがよりはっきり感じられます。室内と屋外で表情が変わるのも、グレージュの楽しいところです。
実際にご来店いただいたお客様の例
38歳、薬剤師のお客様。「職場の規定で明るくはできないけど、暗いだけの髪にも飽きてしまって」とご相談にいらっしゃいました。
以前、別のサロンでアッシュにしたところ、2週間ほどで赤茶色に戻ってしまったそうです。
髪を拝見すると、中間から毛先にかけて赤みの残留色素が強めでした。そこで今回は、7レベルの暗めベースにグリーン系の補色を多めに仕込むレシピに。明るさは控えめにしつつ、色の「濁り」で透明感を出す設計です。
「暗いのに、なんだか軽く見えますね」と鏡越しに笑ってくださったのが印象的でした。
1か月後のご来店時も、オレンジに転ぶことなく、落ち着いたベージュ寄りの色味をキープされていましたよ。
グレージュのメリット
ここまで読んでいただいた方には、ぜひ知ってほしい。グレージュは「ただ流行っている色」ではありません。
- 赤み・黄みを徹底的に封じ込め、日本人の髪特有の「茶色っぽさ」から卒業できる
- 暗めのトーンでも驚くほど透けて見えるので、職場の髪色規定がある方でも透明感をあきらめなくていい
- 彩度が低いからこそ髪のツヤが主役になり、手入れの行き届いた印象に見える
- 肌の赤みやくすみをやわらげ、顔色がワントーン明るく見える
- 褪色してもベージュ寄りにきれいに抜けていくので、色落ちの過程まで楽しめる
- オフィスのジャケットにも、休日のデニムにも、モードな黒コーデにもどんな服にもすっと馴染む
- 白髪が混ざり始めた方でも、白髪がハイライトのように溶け込み目立ちにくい
- 20代から50代まで、年齢を選ばず「垢抜けた人」に見せてくれる万能カラー
こんな方におすすめです
- カラーをしてもすぐ赤茶色に戻ってしまう方
- 明るくできないけれど、暗髪の重たさから抜け出したい方
- アッシュは冷たすぎる、ブラウンは物足りないと感じている方
- 秋冬のファッションに合う、上品で落ち着いた髪色を探している方
まとめ
グレージュの透明感は、アンダートーンを読み解き、補色で丁寧に中和することで生まれます。
そして、その色を長く楽しめるかどうかは、髪の土台づくり次第です。
暗めのトーンで透明感を出したい方は、以前の記事「暗髪でも叶う透明感カラー」もあわせて読んでみてくださいね。
いつもの髪色に、ほんの少しのくすみを。それだけで、秋の装いはぐっと洗練されます。
ご予約の際は「ブログのグレージュを見た」とお気軽にお伝えください。あなたの髪の履歴に合わせて、いちばんきれいなグレージュをお作りします。
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